更新日:10月1日
9月30日(土)秋の里山探検2023菅生沼&エコアップを実施しました。
9月30日(土)秋の里山探検で菅生沼下沼・あすなろ橋~菅生沼ふれあい広場を散策しました。里山探検では、必ずテーマとなる生き物を探検バッチに表現していますが、今回は秋のシジミチョウ。シジミチョウの仲間は一般に小さな仲間が多いですが、それぞれホストとなる植物の近くで異なる種が飛び回っており、形や姿は似ていても異なる場所で生息していることがわかりました。チョウ類についても、自宅や公園で観察できるものの中には一年間の多くの時期観察できるものもあれば、限定した時期に発生する成虫を観察できるものがいます。私たちのそばでも意外と気がつくことが少ない動植物にスポットライトを当てるのも醍醐味であると考えています。菅生沼では、色とりどりの植物が群生しており、植物の役割を考察しました。春と秋の植物はどう違うのだろうね?この実は誰が食べるのかな?おもしろい答えがたくさん出ました。撹乱に起因していた可能性がある絶滅危惧植物などにも出会えました。




観察後は、菅生沼下沼の一部エリアのオオブタクサやセイタカアワダチソウの除草・抜き取りを行いました。「外来種が悪い。」ではなく、これらの植物が枯れて残ると最終的にどうなるのか?想像しながら、一つの実験として子どもたちと実施しました。今回の探検では事前に、筆者もお世話になっているミュージアムパーク茨城県自然博物館の研究者方とお話をし初の取り組みを行いました。お忙しい中ご相談にのっていただきありがとうございます。また、共感し同行くださいました9名のボランティア方につきましては厚く御礼申し上げます。除草した植物は、すべて袋詰めし計26袋あすなろの里で持ち帰りました。作業前後にツミに遭遇したり、トノサマバッタやメスグロヒョウモンを発見したり小さなラッキーもたくさんありました。また、次回計画してまいります。よろしくお願いいたします。
講師 坂入 真史
田んぼ長期体験稲刈りを実施しました。
9月16日(土)・18日(月・祝)をはじめ9月中に一般・小学校児童さん等により実施された田んぼ長期体験の稲刈りが終了しました。4ヵ月間育てたイネを収穫し、おだがけと脱穀作業を参加者の方々と行いました。稲刈り鎌を初めて使用する子どもたちは、率先して刈り進めた通路がモグラの穴の様な一本道になっており、保護者の方々より「(稲束を)縛る作業が間に合わないよ~」と、笑いも起きていました。稲束をおだがけまで運び、昔ながらの千歯こきや唐箕のレクチャーのあと、足踏み式脱穀機を用いて1束1束脱穀するまで体験を行いました。一般回では稲刈り中に、保護者の方々や当園スタッフでもありボランティアグループ常総みどりの会の長谷川としえ会長が、炊き出し・豚汁を準備してくださり新米おにぎりや豚汁を試食しました。脱穀していただいたモミは精米後、参加者のみなさまへ配布します。12月24日(日)は収穫した稲藁を用いてミニ門松作りを予定しております。協力団体である常総市青少年育成市民会議菅生支部様と今年度の協議が終わりましたら募集を行いますのでもうしばらくお待ちください。なお稲刈り単体の体験については、お問合せを多数いただきましたが、ご対応できるスタッフ・指導者の人数等の兼ね合いより未収穫田んぼの稲刈りのみの体験募集は今年度も中止いたしました。恐れ入りますが、次年度田んぼ長期体験の田植え回からの募集までお待ちください。

~多様性の宝庫であるみんなの田んぼでは、講師とたくさんの生き物たちの命の繋がりを学習しました。今期も化成肥料の施肥・農薬を使用しない、中干しの調整等を行ったところ興味深い発見もありました。冬は、更に多様性ある田んぼ作りにチャレンジするため農家の方と相談し冬水田んぼに取り組もうと考えております。あらためてたくさんのご参加誠にありがとうございます。~
(みんなの田んぼの動植物と冬にむけて…については、別機会にご報告します!)
田んぼ長期体験おだがけ作りを行いました。
秋の収穫体験の稲刈りががまもなく行われますが、例年事務局で準備していた「おだがけ」について、今年は一部制作のお手伝いをしていただきました!元来は、おだがけは収穫した稲を効率的に天日干しするため圃場の中に設置することが一般でしたが、園では脱穀体験も同時に実施するため場外に設置しております。参加した子どもたちは、用意した竹を組み立てる作業、スタッフが麻縄で縛る際に、ゆるまないように竹を支えてくださったり、麻縄を切って準備いただきました。田植えや稲刈り、除草作業も1人では困難ですが、本日のおだがけ制作も多人数で力を合わせることで、トラブルなく楽しく完成させることができました。農家の方は稲刈りのため多数の農具をそろえ機械をメンテナスしたり、今が多忙な時期です。私たちも稲刈りに向けて漏れなく準備を進めていきたいと思います。炎天下の中ではございましたが、予定より早くおだがけを設置することができました!ご協力ありがとうございます。

学校や幼稚園のみなさまが作付けした田んぼの稲が大きく育ちました。
スタッフ撮影。9月は予定通り稲刈りができそうです!
夜の里山探検最終回を実施しました。
8月19日(土)夜の里山探検(最終回)を実施しました。7月には少なかった鳴く虫の声も多数確認しました。前半はアオマツムシ、カンタンなどの鳴き声を楽しみながらホタルの光を観察し、後半は樹液に集まるノコギリクワガタやアカマダラハナムグリ等のコウチュウ類、灯火に集まる多種多様な虫を観察しました。過去3回に比べカブトムシが少なかったのは印象的でしたね。虫たちが集まる場所に限らず、夜に咲く花々のそばには葉上のセスジツユムシやホシハラビロヘリカメムシ、コンクリート上で歩行するハラビロカマキリを発見。子どもたちの「見つける力」は闇夜の中でも健在で驚かされました。灯火に、モンスズメバチが集まってきてヒヤヒヤしましたが…、探検中大きな怪我やトラブルはなく無事ゴールまでたどり着くことが出来ました。最後に灯火にやってきたヤママユは茨城県指定の準絶滅危惧の蛾類です。ドキっとするような翅の模様(眼状紋)や大人の手のひらサイズの大型のヤママユガ科の仲間ですが、大きな存在感とは裏腹に口器がなく、成虫は何も食べず、短い期間の間に交尾をします。大塚戸町や菅生町では先祖の霊と呼ばれていました。お盆も終わり、夏休みも残りわずか。秋に移行すると動植物も変化しますので、引き続き身近な命をウォッチしていきましょう!
講師 坂入 真史

地球レーベルとあすなろの里の共同企画ペルセウス座流星群と土星をみよう!を開催しました。
8月12日(土)あすなろの里多目的広場で、夏の星空観察会を行いました。広場でそれぞれがレジャーシートを敷き、ゆっくりと夜のひと時を楽しみました。流れ星を見つけ願い事をしたり地球ーベルの細谷正夫先生が望遠鏡で合わせた土星を観察したり、特別な夜となりました。

写真:のまま 様
イネの花が咲きました。
7月1日(土),8月12日(土)田んぼ長期体験2023観察会が終了し、残すところ稲刈りを待つのみとなりました。各回ともにたくさんのいきものたちとも出会えました。田んぼは、米や農作物を作る大事な場所であると同時に、人間が作った二次的環境に適応しながらいきものたちも独自の生態系を作り上げてきました。稲刈りでは、楽しい収穫体験と美味しいお米を味わい、秋を感じるたくさんのいきものたちに出会えるでしょう。
7月の夜の里山探検計3回が終了しました。
7月22日(土),23日(日),29日(土)夜の里山探検では、普段は観察できない夜に活動するいきものたちを観察しました。鳴く虫、発光する虫、樹液に集まる虫、夜という特別な時間は昼間とは違った楽しみがあるようです。ライトトラップも設置し、多数のカミキリムシやコガネムシなどにも出会えました。「誰がたくさんゲットできるかの虫取り大会ではなく、何を食べてどこへ集まるのかをじっくり観察しよう。」という約束で、採集ではなくみんなで観察しながらいきものの生態を学びました。各回本当にたくさんの参加者にお集まりいただきました。ありがとうございます。最終回は8月19日(土)です。
講師 坂入 真史

写真:坂田育代 様
水辺の生き物観察会が開催されました。
7月8日(土)菅生・大塚戸子ども育成会・菅生沼遊水みどりの会(菅生沼土地改良区)による田んぼの水路に棲息している生き物観察会を行いました。当園職員も講師で参加をいたしました。菅生沼土地改良区内(小金地区)の水路やあぜ道を歩き、たくさんの生き物を観察しました。ガマやショウブがある水域では陸上でヌマガエルやわたしたちの背丈より少し高い位置をシオカラトンボが行き来していました。水辺では、ヒメタイコウチやヒメアメンボ、タニシ類をすくったり夏の身近な生き物を観察することが出来ました。「メダカ見つけた!!」との声もあり、捕虫網と虫かごをもった児童さんたちの笑顔が夏の暑さに負けないくらい輝いていました。ふれあい広場では、両会によるかき氷の提供(実は皆さん楽しみにしていた様子)を待ちながら列に並んでいると、植栽された木に存在感のあるイモムシが…、講師が「イチモンジチョウの幼虫だ!」最後まで生き物熱がおさまらない観察会でした。ゴミ拾いと観察会のあとに食べたかき氷は、何倍も美味しかったです。

自然環境保全地域「菅生沼」について
あすなろの里の園内からは直接観察はできませんが、菅生沼の南側(下沼)の「菅生沼ふれあい広場」は、菅生沼を考える会により整備された駐車場つきの探鳥場所がございますので、ふれあい広場にお車をとめて沼のそばで観察するのことも可能です。あすなろの里からお車で向かうための地図もお渡ししていますので、お寄りの際は窓口にお声がけください。野鳥を観察するときは、大声を出さず、静かに観察しましょう。園内からアクセス可能なあすなろ橋・ふれあい橋からは身近なカモ類やヨシ原の小鳥を観察できます。また、ふれあい橋を渡ると対岸のミュージアムパーク茨城県自然博物館へ行くことができます。(土日祝及び特定日は予約制・別料金)

あすなろの里では、菅生沼とあすなろの里の動植物を調べる自然調査会も実施しています。
http://asunaronosato.net/%e8%87%aa%e7%84%b6%e8%aa%bf%e6%9f%bb%e4%bc%9a/
菅生沼とは
菅生沼は坂東市と常総市の境界にあり、南北約5キロメートル、東西の幅は約200~500メートルの細長い沼です。菅生沼は茨城県条例により、自然環境保全地域に指定されており、また特別鳥獣保護区でもあります。沼に生息する魚類や飛来する鳥類、そして岸辺で見かける昆虫や野草の種類がきわめて豊富であることがその理由です。中でも鳥類は豊富で、冬になると菅生沼で越冬する300羽近いコハクチョウ等のカモ類、猛禽類、そのほか多種多様な小鳥を観察可能です。
沼には江川、飯沼川、東仁連川という三本の川が流れ込んでおり、水は菅生沼を経て法師戸水門から利根川へと注ぎます。地元では反町堤を境に上沼、下沼と呼んでいて、いずれも環境の異なる水鳥を観察できる探鳥地として知られています。現在も、日本野鳥の会茨城県の定例探鳥会をはじめ、多くの自然愛好家が訪れます。また、沼の湿地環境で繁殖する希少な植物については、ミュージアムパーク茨城県自然博物館・菅生沼を考える会などにより、生態系保全のための野焼きなども行われています。
5月20日は、菅生沼にて地球レーベル主催の希少植物観察会が行われました。活動報告については地球レーベルfacebookで報告しています。https://www.facebook.com/chikyulabel
