「オールナイト昆虫探検」終了しました!~活動報告~
【2021年 8/7~8/8】
ムシ好きメンバーによる、夜間の3時間にわたる「超」探検。
好きな分野にこだわり抜き、集中し観察する「テーマ観察」の中でも最もハードな探検でした。
開催に至るまで、有難く想定以上の申込を頂戴した中、事務局のお返事が遅れてしまったこと。台風10号接近に伴い開催判断が遅れたことによりご心配をおかけしたことや、お食事配膳時にご不便をおかけしてしまったこと誠に申し訳ございませんでした。一方で、初めて参加を頂戴したご家族の皆さまとも、夏と秋のターニングポイントである夜の里山の景観を眺めながら、決して特別ではない昆虫たちのくらしを観察できたこと大変喜ばしい限りでございます。
さて、活動の内容のご報告をいたします。探検前にお伝えした様に、昆虫を捕獲するだけが観察ではありません。捕獲するだけならば、お店やインターネットに溢れる様々な虫トラップを利用すれば、字のごとくコウチュウ達をいっきょに罠に「落とす」ことは可能でしょう。しかし、わたしたちが大好きなカブトムシやクワガタムシは、なぜ夜に活動しているのか。そもそも、人気のコウチュウ以外にも、多数の昆虫が夜の時間帯を利用して「命」を繋ぐための「戦略」をもっていることに気づいてほしいと思いこの探検を企画しました。
夜の里山では、コオロギやキリギリスのなかまたちが女の子を探しており、夕方から夜にきりかわると、セミの声がぴったりやみ、あちらこちらから鳴き声が聞こえましたね。「リリリリ、リリリリ…」と軽やかに鳴く「ハラオカメコオロギ」や、似ているけど鳴き方がやや連続的な「ミツカドコオロギ」。「コロコロコロ…」と秋らしい音色を奏でる「エンマコオロギ」の声に癒されました。コオロギたちは、音でパートナーを探していましたが、チカチカと光でメスにアピールするムシも幻想的でした。ホタルに誘われて。そんな言葉も聞いたことがありますが、今回省略したコースでホタルの生息にかかわる考察を行う予定でした。皆さんもホタルが減少する理由について考えていただけたら幸いです。一つだけ言えるのは、明確な答えがあるわけなく、さまざまな環境要因があり、「絶対に○○だから」ということはないでしょう。だから、逆に想像してみましょう。たくさんの人の考えや本を読みながら考察するのも大切なことですね。
夜の観察のポイントになる「光」を利用したライトトラップは今回最後の地点に設置しました。トラップの周りに落ちていた「ノコギリカミキリ」や「ウスバカミキリ」、観察中に集まってきた「ヒグラシ」など里山のアイドルたちが夜のパーティを開いており、翌日パーティ会場のあと片付けをしていると、大きな蛾も遅れて出席していたようで、残念ながら皆さんと観察は叶いませんでした。この昆虫、大塚戸町ではお盆の時期に現れるため先祖の霊と教えられたという地元のお話を聞いたことがあります。そう、夏休みも終盤…もうすぐお盆ですね。
また、こどもたちのヘッドライトは、先述のアイドルのセミたちが羽化している様子をバッチリとらえました。光に照らされ透き通った美しいアイドルのハネが産まれる様子に、皆さんの目が釘付けだったのは言うまでもありません。虫あみで捕まえようとした子に、「そっとしておいた方がいいよ」と優しく声をかけてくれた子もいらっしゃいました。
そして、夜に咲く「カラスウリ」の花。探検中はお話が途中のまま終わってしまいました。こちらも、夜に出会うと異形な姿に感じるかもしれません。花弁の先に切れ込みがあり白い糸のようにのびた花。これは夜活動する昆虫、スズメガのなかまにアピールするためです。スズメガのもつ長いストローと、このお花の蜜のありかは関係していそうですね。
昆虫探検でしたが、最後までムシ以外もムシすることはなく真剣に観察しました。だってクモもカエルも同じいきもの。ゴールで大きなカエルがある子のネットに捕まりました。「先生でっかいカエル!」ゴールではわたしたち大人は、疲労をかくせない様子でしたが、こどもたちはいきものを発見するたび元気がみなぎっていました。ちょっと眠たい目をこらしてよくみると、なんと「アズマヒキガエル」でした。
参加してくださった皆さま、以前はお客様として参加していただいていましたが、今ではお馴染み人気のレギュラースタッフ「カーニー」こと可児さんや地球レーベルの皆さま誠にありがとうございます。また次のテーマ観察でお待ちしております。
水海道あすなろの里 坂入真史
案内人:坂入真史 補助員:染野貴子
協力:可児修一様、地球レーベル様(バッチ制作)
撮影者:可児修一様a、大久保千春様b








皆さま、ご協力ありがとうございます。またよろしくお願いします。